建築はたくさんの人の想いで出来ている 1993年から建築業界で仕事をしてきて、様々な立場の、様々な思惑の人々と出会ってきた。すべての人がいつも同じ方向を向いていない事を許容し、いかにその矢印を自分と同じ向きに近づけるかを諦めずに努力し続けていく。
初心を忘れない 一つ一つの案件を真面目にこなしてるだけでは続かない。頼ってくれる人、信頼して紹介してくれる人など、繰り返しご縁がある人にこそ感謝の念を思い出し、緊張感を持って接すること。
窓は適当に開けない 都内では敷地が十分と言えない事が多い。どこにどんな大きさで開口部を作るか、そこから何が見えるのか十分検討する。例えば、吹抜けの高窓は周囲の視線を遮り、効率よく光を取り込むことが出来る。光が十分に入れば結果として無駄な窓はなくなり、残る壁面に何を配置するか、インテリアの可能性は大きく広がる。
他人のデザインを気にしない クライアントの要求から産み出されるオンリーワンのデザインを最優先し、知識や経験はそれを洗練するために使う。人のデザインは美しく見える理由を考えても、手段としては使わない。
時間の許す限り検討する 行動や蓄積から結果を導き出すのではなく、結果からプロセスを選択する。限られた条件を正確に整理して、終着点を意識し、逆算して可能な事に関しては最大限挑戦し続ける。
内部空間と外部空間と中間領域 特に戸建住宅は外部空間をどう使うかで、内部空間の豊かさが大きく変わる。外部空間を意図的に半屋外空間にしたり、内部空間を半屋内空間とするなど、空間が連続している事を利用した中間領域によって実際の面積以上の解放感や心地よさを目指す。中間領域の考え方は結果としてマンションなどの限られた空間での平面計画に特に有効な手段になる。
照明の役割を決める それぞれの構造体に役割があるように、照明はそれぞれに照らす部分を決める。均一な光ではなく、メリハリを付けて空間の広がりや重心を意識し、明暗の目的から照らす手段を選択する。
床や壁は天然の素材を使う 床は直接触れる機会が多く、壁や天井は面積が大きいために空間の空気感に多大な影響を及ぼす。素材そのものの良さを意識した選定を行う。
空間は横と縦と斜めで考える 平面だけで空間を考えない。常に高さを意識してそこに生まれる空間の計画を行う事。また、斜めを意識して移り変る視線を計画に利用する。
行き止まりを作らない 可能な限り回遊動線を組み込む。行き止まりは停滞を生み出し、様々な効率を落とす。また、流れない空気溜まりは空気の質をも落とす。
変化する事を受け止める 使う人の変化と同じように、空間も変化出来る余地を残しておく。今がすべてという考えではなく、新たな豊かさを受け入れる事が出来る余白のある空間を目指す
常識に縛られない 自分にとっての普通は必ずしも他人にとっての普通ではない。あくまでも建築は使う人の為に造られるが、俯瞰して全体のバランスを調整できるのが建築家である